日本でもスマートフォン化事業が注目されてきています。開発をやみくもに走るのではなくどのように考え、対策することが賢明なのかをこの記事に記載していますのでご紹介いたします。

# 320

スマートフォンブラウザの景観

Smartphone Browser Landscape

ユーザーは携帯電話やスマートフォンでWebサイトが表示され、正常に機能することを期待しています。これ (2010年)から2〜3年の間に、モバイル用のWebサイトはどのサイトにおいても標準になるでしょう。Web開発者はモバイルサイト制作/開発のスキルを身につけるか、クライアントを失うかになるとも言えます。

では、どのようにWebサイトをモバイル対応にすればいいのでしょうか?答えは簡単です。
すべての携帯電話/スマートフォンで動作テストを行い、問題があればそれを解決するという方法です。しかしながら、それは実践的な方法ではありません。

制作したWebサイトを、市場に存在するすべての携帯電話(スマートフォン、モバイルデバイスなど含みます。以下では、「デバイス」と表記とします)でテストすることは不可能です。世の中に出ているデバイスを対象とするのに、最低でも10種類のオペレーションシステム(OS)と15種類のブラウザを考慮する必要があります。モバイル端末は高価なため、開発者が検証のために入手できるのは5機程度、多くても10機種です。すべての携帯端末をテストすることは、よぽどのWeb制作者/開発者でも不可能といえます。

この記事では、プラットフォームとブラウザを含む、モバイルWebマーケットの全体像を説明します。そして、どのモバイル端末でテストするのがベストか、モバイルテストをどのように準備するのかを紹介します。では、見てきましょう。

スマートフォン市場

Webの開発者は、スマートフォンでの検証にもっと注力するべきです。モバイルブラウザは1つのスマートフォンプラットフォーム、もしくは複数のプラットフォームに対応しています(代表的なスマートフォン以外もよいブラウザを搭載していますが、いずれかは変わってくるでしょう)。

次に、疑問を提示したいと思います。「スマートフォンとは何でしょうか?」
モバイル業界の多くで利用されている公式の定義を私なりに言い換えた定義があります。

スマートフォンとは、「ユーザーがアプリケーションをインストールすることが可能であり、見分けの付くOSが実装されている電話」とします。

スマートフォンの市場はいくつかのサブカテゴリーに分けられます。1つずつの市場が特徴を持ち、ユーザーがいます。さらに情報として、Tomi Ahonen(トミ・アホーネン) の記事「smartphone consumersandsmartphone market share(スマートフォン顧客とスマートフォンのマーケットシェア)」をご紹介します。

スマートフォン市場全体図
市場 シェア OS 消費者
ハイエンド 20% iOS
Android
webOS
MeeGo
Windows Phone 7
BlackBerry OS6
ハイエンドグループには、Webサーフィンとアプリケーションに何よりも注目し、これらの機能にコストを払うことを厭わないユーザーが含まれます。
ビジネス 35% BlackBerry
Symbian
Windows Mobile
Windows Phone 7
ビジネスグループには、企業が従業員のためにスマートフォンを支給するケースが含まれます。IT部門は、企業のネットワークにアクセスしてメールとイントラネットを閲覧できるOSを選びます。
中間層 45% Android
Symbian
BlackBerry
bada
Windows Mobile
中間層のカテゴリーには、音楽や性能の良いカメラ、またはテキスト入力の簡易さに興味がある層です(彼らは、ときにハードウェアのキーボードを要求します)。すべての機能が手頃な価格で1つのデバイスに含まれています。

備考:

  • 2009年, 世界では 1億7500万台のスマートフォンが販売されました 。 マーケットは、今年90%以上成長すると予想されていました
  • Android はVodafone 845のように、安価でパワフルなハードウェアに搭載され、ミッドレンジに流れてくるでしょう。
  • マイクロソフトがWindows Phone7を発売し、 Windows Mobileは市場から姿を消すでしょう。
  • MeeGo 本稿を執筆時点では発売されていません。 予想では2011年上四半期に登場するといわれています。

プラットフォームにおけるゲーム

現在のモバイル業界での市場での競争は、プラットフォームが鍵といえます。OSがプラットフォームの最も重要な要素である一方、アプリケーションストアとブラウザも重要になります。

市場ではプラットフォーム同士が競争をしていて、そして、それはWeb開発者の興味を引くところでしょう。すべてのプラットフォームには各々のデフォルトブラウザがあるからです。もし、1つのプラットフォームがその競争に勝てば、そのブラウザはシェアを占めることになり、それはWeb開発者の注意を引くことになります。

ハイエンドマーケットでは、iOSとAndroidは先頭を走るプラットフォームです。しかし2011年、iOSとAndroidは、Windows Phone7(マイクロソフト)、MeeGo(Nokia)、BlackBerry OS6(RIM)を ライバルとして市場で迎えることになります。

注意を払わなければならない点

問題はほとんどのWebデザイナーとWeb開発者(ここでは、ブロゴスフィア全体には触れない)が真っ向からハイエンドマーケットにはまっていることです。他のマーケットを目指したOSに対して、文化的な偏見が存在しています。結果として、ほとんどの人々がiOSとAndroidの間で、(他を無視して)もがいています。この状況は変えるべきです。

ミッドレンジ(中間)市場では、Symbian(Nokia)が独占しています。しかし bada(サムソン)、BlackBerry(RIM)、そして 新しいミッドレンジのAndroid(Google)は最も強力な対抗馬です。

ビジネスマーケットは保守的です。しかしながら、iOSはこの市場に乗り込もうと挑戦し、Androidもおそらく同じことを目論んでいます。ただ、彼らはまだ成功していません。BlackBeryとSymbianがこの市場を左右(少数のWindows Mobileを差し置いて)し続けています。

特に、モバイルWebを始めたばかりの人にとって状況は複雑です。そんな方のために理解の助けとなるよう、私はモバイル市場の全体図を作成しました。

モバイルブラウザ市場

プラットフォーム戦争は、大きな観点から、未来のモバイルブラウザ展望を形づくります。Web開発者は、現在の環境により興味があるようです。それでは、ブラウザ市場の現状を見てみましょう。

モバイルブラウザ市場のマーケットシェアの唯一の情報源は、StatCounterです。StatCounterの情報には限界はあります(彼らのブラウザの種類分けはときに奇妙で、サイト上で彼らが測定するトラフィックの対象はサービスを購読している人たちです。しかし、他に情報源はありません)。では、StatCounterの2010年11月の結果はそうでしょうか?

2010年11月現在 世界のブラウザシェア
シェア ブラウザ 備考
22% Opera StatCounterは Opera Mini と Opera Mobileを同様に扱っています。Operaの話からすると、私の個人的な所見ではデータの90%が Opera Miniだと考えています。
22% Safari StatCounter はiOSをiPhone, iPod Touchに分けています。さらに、iPad の数値をモバイルではなくデスクトップのSafariに入れています。従って、この数値はiPadを除外していることになります。
19% BlackBerry この数値には、ほぼ独自に開発したレンダリングエンジンを実装したOS5と古いモデルのデバイスが含まれます。BlackBerryはWebkitベースのブラウザを実装しており、それにより私たち開発者の仕事はずっと楽になっています。
17% Nokia NokiaのWebkitベースブラウザにはさまざまな仕様があり、そのいくつかは他よりも優れています。ただ残念なことに、StatCounterはそれぞれの仕様を分類してはいません。
11% Android Android市場はブラウザということになると、だいぶ分類されています。HTCの端末に実装されているブラウザとソニーエリクソンに搭載されている端末のブラウザにはいくつか小さな違いがあります。これらの理解できない矛盾点によって問題が起こることが予想されます。
4% NetFront NetFrontはアジア圏のベンダーによって搭載されています。有名なところでいえばソニーエリクソンです。この数字にはソニーのプレイステーション・ポータブルと同様のゲーム機器が含まれます。
1% UCWeb UCWebは、中国でもっとも一般的なブラウザです。最低限の機能を提供しています。
1% Samsung StatCounterは、サムソンのブラウザ(古くはNetFrontをベースとしたブラウザからWebkitをベースとしたブラウザbadaまで)をすべて一括りにしています。

世界市場のステータス、トラフィックのシェアは国によって少し違います。どのブラウザをサポートするかを決める前に自分の国の数字を探す必要があります。もしかしたら、あなたのクライアントのログファイルから、サイトを訪れる人がどのデバイスを利用しているかを学習することが必要かもしれません。

もし興味があれば、これらのトラフィックシェアの数字とセールスシェアの数字を比べたGartner社によるリポートを見てください。多くの違いを発見できるでしょう。

iPhoneの占領

もし、トラフィックとセールスのシェアの数値を比較すると、iOSのSafariのトラフィック市場におけるシェアがセールスのシェアより抜きんでてきることに気づくだろう。この事実は、モバイル向けWebサイトを作成するときに頭に入れておこう。しかし、だからといってテストの対象をiPhoneのみにするのはいけません。

iPhoneの独占には、2つの理由があります。1つ目は、iOSはモバイルWebサーフィンをするために特別に開発された、初めてのプラットフォームだということです。つまり、携帯電話でWebサーフィンをしたい人はiPhone(たまにAndroid)を望むわけです。2つ目は、AppleがiPhoneの購入者が定額データプランによってWebサーフィングが利用しやすいような状況を確約していることです。

しかしながら、定額データプランはなくなってきています。AT&T(米国)とヨーロッパの新しいiPhoneキャリアであるボーダフォンは現在、どうしようもないデータプランを提供しています。彼らの経済的な事情から、です。過去には、ユーザーはヨーロッパのT-Mobileと特に米国のAT&Tのことを悪く言っていました。なぜなら、彼らがiPhoneユーザーに対し良いデータコネクション(音声通話さえも)を維持することができなかったからです。サービスを向上させるための経済的動機がなかったのです。なぜなら、iPhoneのデータ通信量の多くは収益をうまないからです。そのため、プランを変更しました。

このことから、他のOSの利用者が増加するのと同様に、iPhoneの独占の日々が残りいくばくもないと感じています。しかし、それがどのくらい先に起きるかはわかりません。

最高のモバイルブラウザ

Safariの本命のライバルは何か? 現在、私は4つのモバイルブラウザを最もすばらしいブラウザとして評価しています。

  1. 総合的にiOSのSafariは最高のモバイルブラウザ
  2. AndroidのWebkit
  3. サムソンのbadaのDolfinはこれまでで最も最速のブラウザ
  4. BlackBerryのWebkit(OS6以上ではデフォルト。現在BlackBerry Torchにのみ実装されている)

この4つのブラウザはすべてタッチイベントをサポートしています。シームレスなタッチスクリーンベースのインターフェイスは絶対的に決定的な要素です。また、それら4つのブラウザはすべてWebkitをレンダリングエンジンのベースとしています。WebkitはAppleが開発し、Google、Samsung、RIMもそれを独自ブラウザの原点としています。

モバイルには統一化されたWebkitはない

しかしながら、Webkitとタッチイベントはすばらしいブラウザのための必要条件ではありません。最近、LGがローエンド端末のブラウザとしてPhantomをリリースしました。Webkitベースでタッチイベントが実装されていたとしても、Phantomはあまり良いブラウザではありません。

これは、Web開発者へ最もこの上なく重要な一般的ルールを強調しています。Webkitはモバイルにはないのです。私は9つのモバイルWebkitベースブラウザを検証しましたが、それらはすべて違う挙動を示しました。著しく挙動が違うということではなく、基本的にはCSSサポートはよく実装されており、JavaScriptも当然動きます。しかし、それぞれのブラウザには短所と長所があります。

この多様性からみて、Webサイトをできるだけの多くのWebkitベースのブラウザでテストすることが必要です。Safariでうまくいくから、AndroidもしくはBlackBerryのWebkitベースのブラウザでうまく動作すると思い込んではいけないのです。

良いブラウザ

Apple, Google, サムソンとRIMのデフォルトブラウザは、私はエクセレントクラスだと考えています。エクセレントクラスより下はグッドクラスと呼べます。Opera Mobile、WebOS向けのPalm Webkit、MicroB、そしてNokiaのMeeGoによってすぐに取って代わられるMaemo OS向けのGeckoベースのデフォルトブラウザです。

これらのブラウザはタッチイベントをサポートしていません。また、各々の実装は多様です。そして、CSSとJavaScriptの視点から純粋に見ると、いくつかの問題に直面します。

上記のブラウザ3つの中で、Opera Mobileは最も重要なブラウザです。なぜなら、多くのWindows Mobileではデフォルトのブラウザが不十分だとベンダーが判断した場合にOpera Mobileが実装されます。現在、最も大きなシェアを占めるOSであるSymbianのNokia Webkitの代替ブラウザでもあります。

Opera Mini

Opera Miniは極めて重要なブラウザであり、Opera Miniで自分のWebサイトを検証すべきです。なぜなら、Webサーフィンをユニークな方法で扱うからです。Opera MiniはiOSとAndroid、そして同様に他のOSでも手に入れることができます。

Opera Miniはこれまで議論してきたOperaモバイルを含む、他のすべてのブラウザと全く異なっています。他のブラウザがHTML、CSS、JavaScriptをただダウンロードして表示するのに対して、Opera Miniは違います。Opera Miniでページをリクエストしたとき、そのリクエストはOpera Miniサーバーに送信されます。サーバーはアセットをダウンロードし、それらを出力しページを表示できます。それから表示された結果のページを、画像としてクライアント(=Opera Mini)に送信します。ユーザーはOpera Miniをクライアントとして画像を閲覧するのです。

ユーザーにとってはコストをごくわずかに抑えられるのがアドバンテージです。これは、ローエンドの低価格デバイスに特に適しています。実際のダウンロードデータは高圧縮された画像だけで構成されます。

Opera Miniの短所は、クライアントサイドにおいて双方向性を提供しないことです。もしユーザーがリンクをクリックし、その結果いくつかのすばらしいAjaxのためのJavaScriptイベントハンドラーが発生しても、Opera Miniはサーバーにそれを送って指示を待ちます。サーバーはスクリプトを処理して、更新後の画像を返信します。しかしながら、これは機構として間違っているわけではなく、そうなっていると覚えておけば済む話です。世界中の多くの人が、クライアントサイドの双方向性に見切りを付けることでたくさんのお金(端末とデータプランのコスト)を節約することができるというわけです。

Opera Mini だけが Miniブラウザではありません。中国製ブラウザで最も人気があるのはUCWebです。UCWebはOpera Miniと非常に似た原理で動きます。ただ、自社開発されたレンダリングエンジンの多くはひどいレベルです。特定の状況下では単純なリンクですら処理することができないため、Webkitに取って代わられるのも時間の問題でしょう。

Nokia WebKit

マイクロソフトは、Windows7の販売初年度に2.4億台のを販売した。それらの多くがIE8を搭載して発売されました。2009年、ノNokiaは4.32億台を販売しました。その半分以上がNokiaのWebKitブラウザをデフォルトとして搭載しています。

言い換えれば、昨年、NokiaのWebkitはIEよりも市場で多く販売されました。しかし、Nokia WebKitの市場シェアは途方もないほど大きいのに、トラフィックマーケットにおけるシェアは控えめです。Nokiaの平均的なユーザーのWebサーフィンは、iPhoneユーザーの平均におよびません。ただ、それは変わるかもしれません。そのため、Nokia WebKitでWebサイトを検証し、準備しておく必要があるでしょう。

ローエンドモデルのS40、同様に古いSymbiam端末(S60v3 feature pack 1まで)に搭載されている古いNokia Webkitブラウザや、新しいSymbian端末で動作する、新しいNokia Webkitブラウザがあります。後者は少し変わっていますが、動作はします。前者の状況はもっと難しいです。もし自分の端末がどのSymbiamで、どのブラウザが搭載されているのかわからない場合、Acid 3 testを行ってみる方法があります。最近のブラウザであれば、Acid 3 testで約50点を獲得します。以前の古いブラウザは完全にテストに不合格です。Stephanie Rieger(ステファニー・リーガー)はNokia Webkit について知っておくべき、すばらしいシリーズの記事を公開しています。

ほとんどのWebサイトは、NokiaのWebkitブラウザを無視できる北米マーケットにもっぱら狙いをつけています。また、Nokiaは北米で無視してもよいマーケットシェアを持ちます。しかしながら、他の地域に向けたWebサイトはNokia Webkit上で検証すべきです。

古いBlackBerry

OS6以前のBlackBerryは、(失敗はしたが)独自開発のブラウザを搭載しています。残念なことに、OS6はまだ市場ではヒットしていません。つまり、膨大な大多数のBlackBerryのオーナーはまだ古いブラウザを所持しています。ですが、それは変わるでしょう。

JavaScriptのパフォーマンスは、古いBlackBerryブラウザの最大の問題です。大部分が機能していません。OS4.6以前のOSでは、これはほとんど解決不可能な問題です。OS4.61以降では多少スクリプトが機能します。しかしOS6になるまでそれは非常に大きな問題で、古いBlackBerryのブラウザのためにスクリプトを書くのはやめておいたほうがいいでしょう。

IEはどうなってるのか?

テストすべきブラウザとして、ここまで多くのブラウザについて言及してきましたが、モバイル環境でのその数はデスクトップ環境の平均以上です。しかしながら、暗闇の中にも一筋の希望の光があります。IEはモバイルでは問題ありません。

Windows phone 7でベースとなっているデフォルトブラウザはIE7で、いくつかのIE8の機能が利用できます。これはWindows Mobileに搭載されているIE6ベースのデフォルトブラウザよりも、もっといい状況です。より古いバージョンではIE4がベースとなっています。Windows phone 7はヒットするかもしれませんが、デスクトップ環境のように65%のマーケットシェアを手に入れることはないでしょう。マイクロソフトはスマートフォンシェアで最大10〜15%を獲得するだろうと予想されています。

そこで問題は、私たちWeb開発者はIEにおける知見を捨て、IEユーザーに別のスタイルシートをダウンロードさせるのか、それともモバイルで接続されたすべてのユーザーにIE専用コードをダウンロードさせるのか、あるいはIEは無視するのか、です。最後の選択を私は支持します。

マイクロソフトはこの問題に気づいており、IE9へアップグレードさせることによって、モバイル環境においてもIEを重要にできることを知っています。事実、これはいま行われています。もし、IE Mobileの将来のバージョンで私たちのすべてのWebサイトが動くようになるなら、すべてがよくなります!そうすれば、私たちはIE Mobileでの検証を始めるでしょう。ただし、デスクトップ環境で行っていたような、IEのバグを次から次へと回避するような作業は必要ありません。

他のブラウザ

他にも、現在は無視できるが、将来重要になると考えられるブラウザがいくつかあります。

  • NetFrontは古いサムソンとソニーエリクソンでいまだに広く利用されています。しかし、他のブラウザからはひどく遅れていて遠くない将来消えてしまう可能性があります。賢者は一言にして足る「NetFrontは無視する」、サポートするには大変な努力が必要だからです
  • ObigoはLGが選択するブラウザの1つで、他のブラウザの進化に遅れずについていこうと真面目に努力しています。バージョン7.xまで、独自のレンダリングエンジンを使っていましたが、いまはWebkitに切り替えています。Webkitベースの初のObigoブラウザは2011年の早い段階で登場する予定です。
  • FirefoxのAndroidベータは入入手可能ですが、しタッチイベントなどの重要なモバイルの機能がまだ欠けています。Mozillaにとって大きな問題は、モバイルユーザーは「機能が高い」からという理由だけでわざわざ別のブラウザをダウンロードはしないということです。つまり、いまはまだFirefoxを無視しても大丈夫です。何か特定のデバイスもしくはプラットフォームベンダーがFirefoxをデフォルトのブラウザとして利用はじめたら、その状況は変わるでしょう。

モバイルのテスト環境

では、プラットフォームとブラウザについてのあなたの新しい知識を使って、検証テストのセットアップを作成していきましょう。

まずはテストを始める

いますぐ、テストを始めましょう。あなたは1つか2つしか検証用のデバイスを持っていないかもしれません。しかし、どんなデバイスであっても、ただWebサイトを見るだけでたくさんのことを学べるでしょう。

モバイルプラットフォームで最も扱いにくいトリッキーな問題は、すぐにアプローチできるものです。たとえば小さいディスプレイ、すべての携帯電話はデスクトップの標準より小さいディスプレイです。Webサイトはその小さいディスプレイにフィットする必要があります。すぐにテストを始めてみましょう。心配する必要はありません。自分の携帯電話はマーケットシェアを象徴するものではないのだから。テストをしないよりは、どんなデバイスでもテストを行うべきです。

端末の入手

次は、いくらかお金を使う段階です。あなたはすでにiPhoneもしくはAndroidを持っているでしょう。住んでいる場所で人気のあるBlackBerryもしくはNokia Symbianのどちらかを買いましょう。ポイントは中間クラスで人気のモデルを選ぶことです。これは、Webをまだたまにしか見ない集合体となります。

もし予算が潤沢でない場合は、NokiaもしくはBlackBerryの非タッチスクリーン端末を購入しましょう。予算があれば、複数の非タッチスクリーン端末を購入します。すべてのユーザーがタッチスクリーンを持っているわけではありません。絶対に、他の入力方法にも精通しておくべきです。もし予算が残っていて、3つ目、4つ目の端末が考えられるなら、私が言及したプラットフォーム(bada, Windows Phone 7 もしくは Windows Mobile)を検討してください。自分が狙う地域で大きなマーケットシェアを持つ端末を1つか2つを選んでおきましょう。

ブラウザをインストール

my browser listを一通り見て、手持ちのデバイス上でダウンロードできるすべてのブラウザをインストールしてください。その際、Opera MiniとUCWebには注意が必要です。

検証サービス

おそらく、もう2〜4つのデバイスと合計6〜10のブラウザを持っているでしょう。もし予算がまだあれば、もっと買いなさい。しかし、デバイスを買うだけの予算がないなら、あなたには2つの選択肢があります。検証サービスもしくはエミュレーターでテストをする方法です。

代表的な検証サービスに、Device AnywherePerfecto Mobileの2つがあります。比較して、好きなほうを選択すればよいでしょう。

これらのサービスでは、デスクトップのブラウザを通して彼らのラボに置かれた携帯デバイスにアクセスすることができます。それぞれの携帯デバイスの挙動はWebCamで表示されます。この手のサービスを使えば、幾段もの列で示される多数の携帯デバイスの中からテストしたい端末を選び、検証することができます。いくらかのお金はコストとしてかかりますが、しかし必要な端末をすべて購入するよりはずっと安いでしょう。

エミュレーター

モバイル環境を検証する方法としてエミュレーターが最も安い方法ではありますが、私はあまりエミュレーターの信奉者ではありません。なぜなら、モバイルブラウザはWindows(もしくはMac)に移植されますが、その過程で多くが誤った挙動になります。

emulator listを一覧して、できるだけたくさんインストールしましょう。ただ残念なことに、ほとんどが動作するために内部にSDKを必要とします。これはあなたのコンピューターへ負荷をかけることになります。

ブラウザリスト

一度でも検証テストのセットアップを行ったことがある、そしてモバイル環境でのテストを望むクライアントがいるのであれば、契約書に挿入するべき総括的なブラウザリストを作っておきましょう。クライアントはどのブラウザでWebサイトが機能するか知っておく必要があります。

SafariとOpera Miniの2つのブラウザは避けられません。クライアントはおそらくAndroidについても聞いてくるでしょう。モバイルの知識があるクライアントはBlackBerryもしくはSymbianを主張するかもしれません。ブラウザバージョンの合意も必要ですが、これは端末や検証サービス、入手可能なエミュレーターによります。ブラウザのバージョンに関して、いくつかのトリッキーな事項があります。

  • BlackBerry OS4.6 もしくはそれ以下のバージョンでは複雑なJavaScriptを実行できないことを覚えておきましょう。クライアントには最近のBlackBeryでもJavaScriptをオフにする必要があることを伝えておけなければなりません。WebkitベースのOS6のみが、安全にサポートしています。
  • WebkitバージョンのNokiaについてすでに言及しました。古いバージョンはそのままにしておくことです。あなたを頭痛のタネから守ることになります。
  • Android Webkitのメジャーアップグレードが1.6と2.0の間にはあります。契約書では検証するAndroidのバージョンを指定しておきましょう。

たとえあなたのクライアントがiPhoneだけの検証を頼んできたとしても、Webサイトが、最低でも1つもしくはそれ以上のモバイルブラウザで十分機能することを確認しておきましょう。練習の機会は逃さないことです。

プログレッシブ エンハンスメントはあなたの友人

プログレッシブエンハンスメントは、モバイル開発の友人です。すべてのモバイルブラウザですべてのWebサイトが動くわけではありません。しかしそれでOKなのです。すべてのブラウザですべてのWebサイトが動作する必要なんてありません。誰かがOpera Miniを使っていて、あなたのWebサイトのアニメーションを見られなくても、それは許容範囲です。古いBlackBerryで、すべてのスクリプトをオフにしても大丈夫なように準備しましょう。

モバイルWeb開発が一般的なことになれば、プログレッシブエンハンスメントは広く利用されるようになるでしょう。デスクトップ上では、IEユーザーをつねに喜ばせなければなりませんでした。しかし、モバイル上では状況は大きく異なります。いくつかのブラウザ向けに機能をオフすることを躊躇する必要がありません。ユーザがコンテンツを読むことができ、作成したナビゲーションを利用できるかぎり、あなたは自分の職務を果たしています。

モバイル:あたらしい開拓者

ここで紹介した情報が、あなたにモバイルのウェブにおける冒険の出発点となることを願っています。それは困難な旅となるでしょう。そのほとんどがデスクトップのWebとは非常に異なるからです。デスクトップで与えられた詳細なブラウザの知識はモバイルWebではまだ手に入れられない。さらに、私たちがデスクトップ上で当然と考えるブラウザの知見は、モバイルのウェブに対してまだ有効ではありません。

だからといって、挑戦をやめるべきではありません。あなたにとって意味のあることから試してください。ときどき、それは機能しないかもしれません。しかし、それはゲームの一部分でしかありません。もしうまく機能するなら、それに関して記事を書いてみましょう。あなたの仲間、モバイルWeb開発者は情報を必要とします。

幸運を!あなたは一人ではないことを忘れないでほしい。

読み物リスト

ここに、モバイルWebの典拠となるリストを上げておきます。これらを定期購読することによって、モバイル市場の動向について知ることができます。

  • 元Nokiaの社員のTom Ahonen(トム・アホーネン) はCommunities Dominate Brandsを書いています。ここには、すべての種類のステータスが集まっています。このブログは、Webだけではなく一般的な通覧としても非常に有用です。
  • Jason Grigsby(ジェイソン・グリッグスビー)の「Cloud Four Blog」。JJasonはWeb開発者であり、モバイル開発者です。彼は特にMedia Queries、そしてネイティブアプリ vs Webアプリの議論に注目をしています。
  • Vision Mobile はモバイル市場の解析と戦略をサービスとして提供する会社で、大変に興味深い刺激的な社説ブログを公開しています。
  • jQuery Mobileは John Resigの最近のプロジェクトです。JQueryはモバイルブラウザ戦略を最も明確に打ち出したJavaScriptライブラリです。Senchaライブラリはオプションの1つです。SenchaはiPhone/Android用のライブラリとしてスタートしましたが、いまや多くのプラットフォームに対応しています。
  • Bryan と Stephanie Rieger のYiibuはモバイルのウェブ開発およびさまざまなNokiaブラウザに関する優良な記事を公開しています。このサイトの全体が、どのようにして私たちがモバイルWeb開発を行うべきかの例になっています。
  • Luke Wroblewskiはモバイルに特別な興味のあるWebデザイナーです。彼のタッチジェスチャー・」ダイアグラムは非常に興味深いコンテンツです。
  • Dennis Bournique(デニス・ボウルニク)によるWAP Reviewはミッドレンジからローエンドマーケットをフォローしています。彼はMiniブラウザのテスト(Opera Mini, UCWebなど)を徹底的にテストすることで知られています。デニスは、さらにウェブ上で見つかった新しいモバイルのサイトを紹介しています。それを通して、あなたはアイデアを学ぶことができるでしょう。
  • PinchZoomは Brian Fling(ブライアン・フリング)のモバイルWeb会社です。ここにはたくさんの有用な記事があります。
  • orace DediuのThe Asymco blogはモバイル市場を貪欲に調査しており、たくさんのよいマーケットシェアについての洞察があります。
  • Mobile Industry Reviewはモバイル業界をカバーする、もう1つのハイレベルな情報源です。
  • Twitterアカウントの@EricssonLabsは、モバイルについて最も重要な記事を掲載しています。
  • ebに興味のあるモバイル開発者のMike Rowehl(マイク・ロウエル) によるThis Is Mobility。モバイル業界の動向を追跡するのに加えて、Mikeはときおり、モバイル業界がWeb業界をどのように見ているか、それによる興味深い展望の変化について考察していています。
  • The Morgan Stanley Mobile Internet Report(PDF;大容量)は、現在入手できる、最も完璧なモバイルWebの俯瞰図です(たとえ1年前のものだとしても)。
  • 私が発見したmobile web mailing listの中では、先駆者がモバイルブラウザ、モバイルWeb、モバイルの背景、そして他の重要なトピックについてたくさんの考察を示し、議論を行っています。
  • そして、最後に私自身のサイト「QuirksMode」のmobile sectionです。私はWeb開発者として、モバイルマーケットについて執筆をしています。モバイルWeb開発者として求められるようになる、いくつかの難解なテクニカルトピックについて執筆しています。

筆者注:この記事は2010年12月16日にiPhoneの定額データプランの情報をアップデートしました。