米国公認会計士が執筆したウェブデザインビジネスについて4つの罠を述べています。 経営者の方には大切な考え方です。ぜひ読んでいただければと思います。

# 373

デザインビジネスの成長

そう・・・あなたはクリエイティブな自分のビジネスを始め、成長し始めている。それはいいことだ! しかし、順調な成長は簡単には起こらないであろう。
ちょうど若手のデザイナーが小さなプロジェクトから始めて、ゆっくりスキルを築くように、新しいビジネスには、成熟し、新しいアイデアを検証し、そしてそれに備える時間が必要なのである。

あなたは、今のあなたの地位を築き上げたデザインをどうやってできるようになったろうか?
勉強と実践、そしてテストすることでそれを得たのではないだろうか。
会社経営者も同様の方法で仕事を学ぶ:一般的なビジネスの知恵を得て、それを具体的なニッチ(適所)へ適用し、正しい結論を得られるまで勤勉に働くことによって仕事を学ぶのだ。

もしあなたが、持続可能で満足の行く方法で成長したいならば、どれだけ成長しているかだけではなく、どうやって成長しているかにも注意を払う必要がある。
結局、より大きな会社が必ずしも良い会社であるとは限らない。デザイン産業の成長における4つの共通の落とし穴と、それらをどのように避けるかを見てみよう。

間違ったクライアント

会社経営者としてあなたは、可能な限り全ての人へサービスを提供すべきであると仮定するかもしれない。忙しいのは良いことだ。そう思っていないだろうか?
しかし現実において、あなたへくる全ての発注クライアントを受け入れることは、実際はあなたの成長を損うことになり、全く戦略的とはいえない。

悪いクライアントにサービスを提供すればするほど、優良クライアントに費やせる時間が少なくなるのである。これは危険である。
これは風水に似ていて、良いものが入ってこれるように、悪いものを移動させる必要がある。

しかし、優良クライアントとはどういうことか?
あなたの目的と専門知識によって基準はより具体的になるかもしれないが、優良クライアント全員は以下3つの共通の特色がある:

  1. あなたの価値を理解していて、あなたをプロフェッショナルとしてデザインプロセスはあなたに任せるというクライアント。
  2. 一緒に仕事をして楽しいクライアント。
  3. 有益であるクライアント

クライアントを切る(まず第一に、間違ったクライアントをあなたの会社から締め出す)ことが、まず一つである。それは戦略的な会社経営者と、成長できなくてもがき苦しむ会社経営者との分かれ目である。これを実行するのは少し怖いが、悪いクライアントを別の居場所へ移動させることは、会社を成長させるためにできる最も重要な事の1つである。それに、これは単に悪いクライアントには時間が取られるからという理由だけではない。

あなたのクライアントが良いか悪いかどうかにかかわらず、クライアントはあなたに別のクライアントを連れてきてくれるだろう。
もしあなたが、1人のクライアントにディスカウントをすれば、新しいクライアントはディスカウントを求めてあなたのところにくるだろう。
その反面、もしあなたがクライアントを大切に扱い、よい仕事をし、その仕事に対して高い報酬を得れば、新しいクライアントは、あなたと共に仕事をする特権に対する代価を支払うつもりであなたのところに来るだろう。

間違ったクライアントと共に成長することは、望んでいない成長であり、またそれは実際は優良なクライアントにも害を及ぼすのである。
あなたが決して喜ばすことができないクライアントで手いっぱいになると、あなたの素晴らしいサービスを高く評価してくれるような優良クライアントへ十分な配慮ができなくなる。そして、優良クライアントは、なぜあなたが電話の返事をする時間がないのかを理解できなければ、彼らはあなたの元から去っていくだろう。

雇用目的のための雇用

スタッフの増加はよいと思うかもしれないが、規模単独では何の戦略にもならない。従業員に支払うためにクライアントをつかまえるというよりも、大切なクライアントにサービスの提供するために従業員を雇うべきである。

単にある規模に達するために成長することは、従業員に時間つぶしの仕事を任せなくてはならないという苦しい状況にあなたを追いこんでしまう。時間つぶしの仕事は従業員を無気力にし、何か価値のあること(もうけだけを気にするのではなく、それ以上の何かという意味で)をやっているのかどうかという疑問を持たせることになる。そのような仕事に対してやる気を起こすのは難しい。

悪いクライアントと時間つぶしの仕事は高い離職率を招く(なぜなら優秀な従業員たちは、あなたの間違った決断に我慢する必要もないとわかっているからである)。従業員の不安定さは、次にあなたのクライアントリストを衰えさせてしまう。要は、あなたがサービスを提供するクライアントに対する指揮権を従業員に与えるべきである(管理を任せなさい)。

例えば、あなたが次に来る新しいクライアントの要求を満たす手段を持っていれば、会社にとって誰がよいかを具体化させるために、毎週のミーティングでチームと共にクライアントの要求について入念に調べればよい。または、あなたの「優良クライアント」基準を自分のチームと共有し、彼らのインプットを要求し、現在のクライアント名簿上の全員が請求書に見合う価値があるのかどうかを議論すればよい。

これら会社に密接に関わる部分にチームを関与させることは、有能な従業員をより情熱的にし、よりハッピーにするであろう。結果としてハッピーなクライアントが得られるであろう!

従業員は、戦略的に成長を管理する会社経営者を待ち望んでいる。
従業員に恵まれ、彼らに仕事への情熱を与える1つの方法は、適材適所に焦点をあてることである。次にこれは、あなたが適材適所に取り組むためには、適切なチームを雇用しなければならないことを意味するであろう。
どこの誰のためにでも働くというのとは対照的に、適所での仕事によって、あなたはよりよい労働条件、高い給料、そしてより創造的な自由を期待する優秀なデザイナーを雇うこととなる。これら優秀なデザイナーこそが最善のクライアントのみとの仕事を望む情熱的なプロなのである。

速すぎる成長

より新しいデザイン会社は、ファイルがどこに保存されているか?またはプロジェクトの引渡しがどのように起こるのか?のような暗黙で、文書化されていない知識を管理するためによく奮闘することがある。
会社が新しい時、短期間で多大な成長に対処することができる発達したシステムを維持することは挑戦的である。優秀なデザイナーを養育することとともに、円熟したプロジェクト管理システムや賢明な経理担当マネージャーのような内部のシステムを発展させるのに時間をかけるべきである。

毎回新しい顧客に取り組むたびに、あなたは価格決定プロセスや顧客経験価値のプロセスについての暗黙の知識を自分に追加するだろう。あなたはその知識を、次のクラアントに適用できなくてはならない。しかしあまりにも速く成長していると、これが難しい。もしあなたが新しい経営者であれば、なんとかして成長をゆっくりに留めるべきである。より円熟したシステムを得たとき、ペースを上げることができる。

一定レベルの規模に達したら、成長するためにはさらに多くの助けが必要となる。これは多くの会社経営者にとって驚きであるかもしれない。より具体的に言うと、約5から10人の従業員に達したら、あなたが引き続き仕事を管理し、成長し続けるのを支援するためには、経営者でないリーダーたちを選別する必要がある。そこであなたの会社は、完全なプロセスをコントロールしている経営者が常にそこにいなくとも、その成長を続ける必要がある。あなたの内部プロセスはこの段階においてテストされるであろう。経営者として、あなたは技術の仕事から移行しなければならない。そうして、会社が成長するのを手助けすることにおいて、チームメンバーが新しい役割を引き受けることとなり、あなたはチームを先導し指導する役割を手がけることができるようになる。

あなたは最良の従業員を雇う必要があり、そうしている間にうっかりカスタマーサービスをやり過ごしてしまう余裕はないので、さらにあなたは、必要となる前に新しい人を雇う必要があるということに気がつくであろう。しかし、早めに雇用するために、あなたは新しい雇用に見合うだけの適切なクライアントを見つけるための十分な時間を稼がなくてはならず、貴重な手持ち資金が必要となるであろう。もしあなたが、この調整期間を乗り越えるための手持ち資金を持っていなければ、あなたは、巨額の給与支払とそれを支払うための適切なクライアントが十分いないことに悩まされるだろう。

薄利

利益率の高い仕事は、ビジネスの基本的なニーズに関連するストレス(給与支払いや期限までに請け負い業者やベンダーへの支払い行うことについての心配など)からあなたを解放してくれる。
利鞘(マージン)は、クライアントがあなたに支払った合計金額で、仕事を生み出すために必要とされる、具体的な給与や請負業者がより少なければ少ないほど、あなたがクライアントにサービスを提供するために購入しなければならない製品または追加のサービスは少なくなる。利鞘は、粗利とは異なる。利鞘は、各仕事がどれほど高収益であるかのミニマリスティックな見方である。一方粗利は、費用計算前のあなたの会社の収入全体である。

利鞘計算においては、保険料、賃貸料、税金や自分で何かしようのない物すべては無視である。これらの経費はあなたがコントロールできるものではないから、利鞘計算の要素に入らない。特定のクライアントのための具体的な仕事を行うのに必要とされる、少数の管理可能な費用だけに焦点をあてるべきである。薄利の仕事は、そのクライアントにサービスを提供するために、あなたが負担しなければならないコストに非常に近い価格設定でサービスを提供することを意味する。

例えば、あなたが自分のサービスを100,000ドルと価格設定し、給料と契約者に対する費用が80,000ドルかかり、そして雑費(フォント、ホスティングなどの費用)が5,000ドルであるとすれば、あなたの利益は15,000ドルと薄利である。これは15パーセントの利鞘である。それは十分か?そこはあなたが決めなければならないことであるが、私の経験から言うと、私の会計事務所が仕事をするスマートなデザイン企業の利鞘は70~90パーセントである。私だったら自分のクライアントから少なくとも50パーセントの利鞘を期待するだろう。

利鞘(マージン)は重要である。薄利な仕事は思いがけない結果を生むことになる。例えば、生計を立てたり、経営者の給料をカバーするのに負債が生じるなど。これは非常に危険である。最初はちょっと怖いかもしれないが、あなたがサービスに対して、収益性の高い成長に出資するのに見合う十分高い価格設定を行うことは、あなたのデザイン会社が繁栄するのを手助けすることになるであろう。

また、高収益な仕事だけを受けると約束すれば、あなたは魅力的な給料、よい仕事環境やツールを提供することができ、従業員教育にも投資ができるようになるだろう。実質、高い利鞘(マージン)なしでは、あなたが必要とする世界級のチームを構築することはできないだろう。

素晴らしい成長があなたのものとなり得る

というわけで、たぶんあなたは成長したのだろうが、本当に繁栄したと言えるのか?
もしあなたが、ここまで記述したような4つの成長に関わる落とし穴によって脇に追いやられているような状態になっていれば、それは繁栄したとは到底言えない。成長は何もしないままでは起こらない。成長は意図して始めて起こり得るのである。それは大変な作業であり、あらゆる段階において成長パターンをチェックし続けることが必要になる。落とし穴に用心深くあり、別の道を行かなくてはならない。そうすればあなたのクライアント、チーム、および収益性すべてがあなたに感謝するであろう。

Jason M Blumer(ジェイソン・エム・ブルーマー)氏は米国公認会計士、国際貿易プロフェッショナル資格をもつブルーマー&アソシエイツのチーフ・イノベーション・オフィサーであり、クリエティブ業界向けの会計事務所を経営しています。氏は、flip flopsを履きジーンズを履き「dude」が口癖です。コーヒーショップでヘッドフォンで最新のブルームバーグのポッドキャストをしながら仕事をたまにします。